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再び田鹿写真機研究所にて

これまでM8やMモノクロームでは問題のなかったSummilux35ASPHが、M10では1~1.2mあたりでヘリコイドが渋く重くなることに気がついた。ライカ銀座店で聞いてみると、同じことがM240でもありましたということだが、これといってはっきりした解決方法はないようだ。銀座に出るついでに田鹿さんに意見を聞いてみようと研究所を訪ねる。氏はレンズとボディーをつけて不具合を確かめてから、これバラしてみていいですかと言うので躊躇なくお願いする。作業にかかる田鹿さんの背中を見ているうちに、棚にある大ぶりのレンズが気になる。ちょっと見せてもらうと、ノクティ50ミリF1の所謂V4でそれも製造最後に近い玉らしい。であればレンズ一枚が94年頃から新しい硝材ものと変わっているはずである、覗いてみるとコーティングの色がぼくの58ミリ径のものとは全く違う、見ているうちにどうしても撮りたくなってその場でM10につけての撮影の許可をもらう。そうこうしている間にぼくのレンズの方は作業が終わって、ヘリコイドの渋さはほとんど分からないくらいに改善されていた。

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家に戻りこのレンズの製造番号からこれは2003年製と分かるが、レンズにはカナダ製と記されている?(カナダライツはこの頃には終わっていたはずだが)とにかく田鹿さんの所で撮ったファイルをLRでプロセスしてA4に出力してみる。M10+EVFはさすがにレンズ先端のPに合わせたピントがよくわかる。これまでぼくのノクティはほとんどがフィルムで撮ったものなので、デジタルで撮ったものは同じノクティでも少しその印象が違ってみえる。出力したプリントを見ているうちに、同じカットを0.95でも比べてみたくなる。(続く)

c0202611_08362229.jpg

数日後、再び田鹿さんに無理やりお願いしてまた銀座に出かける。0.95でも同じようなアングルで撮影(手持ちなので全く同じというわけにはいかないが)、露出は全く同じ1/500秒でISO設定も同じ、その分0.95の方がごく僅か明るい仕上がりだがこれはそのまま1.0と0.95の開放値の違いがでている。ブログの画像での比較は難しいかもしれませんが、A4のプリントで比べてみるといくつかのポイントで描写の違いがわかり興味深い。撮る前は0.95の方がピントは余程シャープではないかと思っていたが、f1の方もけっこうよく解像している。最初ににレンズ鏡胴先端の手前側の描写だが、0.95はボケの立ち上がりが早いのに対してf1の方がここは自然で好ましい。一般的には0.95の方がf1よりもDOFが浅いと言われているが、必ずしもそうとは言えない。この場合でも画面左手の小瓶から突き出ている筆の柄は0.95の方がくっきりしていて、ピントが深いのではと思いたくなるくらいだ。この辺りは前ボケの領域で、焦点面からアウトフォーカス入る描写はのノクティの見せ所だと思うのだが、新旧のノクティでここは結構描き方が違う。後ボケも二枚並べて比較するとf1の方が大きいし、ぼくからみると0.95の描写は総じてルックス50の非球面を想起させる。最後に画面右サイドの点光源の反射したところを見て欲しいが、f1ではきれいなリング状なのに対して、0.95では非球面マークかと思わせるような妙な形になっていてお世辞にも美しいとは言えない。敢えて言えば0.95はNoctiluxというよりはSummilux 0.95ASPHと言ってしまうとすっきりなんですが、これはライカに叱られるかも知れません。

Leica M10 / Noctilux 50mm f1 & 0.95

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by b-road | 2017-04-28 21:33 | Leica M10 | Trackback | Comments(10)
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Commented by ks-photo at 2017-04-29 08:52
セイケさん、おはようございます。
果たして、どのような違いがあるのか、興味津々です!

それにしても、その場で、気軽にレンズを試すことができるというのは、デジタルカメラの強みですね。
Commented at 2017-04-29 09:29
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by b-road at 2017-04-29 19:04
ks-photoさん、コメントありがとうございます。
限られた条件下ですが、思っていたよりも描写の違いははっきりしていたと思います。しかしブログの小さい画像ではそれだけでどこまで伝わるのか心配ですが、、、。
Commented by b-road at 2017-04-29 19:19
鍵コメさん、そうだったんですね!ありがとうございます。
普通のデジタルプリントですが、それでも紙で見るのはやはりモニターで見る画像とは違うと思います。自分の中では、モニターで見て終わるものと、紙に出力したくなるものとの間で扱いが分かれると思います。
Commented by ks-photo at 2017-05-02 09:39
セイケさん、おはようございます。
言われるように、ブログ画面では、分かりにくいですが、明るさの違い、筆の描写、点光源は、分かります!
一つ感じたのが、焦点距離が、0.95は、少し長いかなということです。
ここまでされると、球面の最後に近い玉と、球面最初のE58の描写も気になる所ですね!
それにしても、Summilux0.95ASPHとは...笑
非常に無責任な言い方なのですが、その描写特性によるネーミングをするっていうのも面白いかもですね!
重量級のレンズを持ち出していただき、貴重な試みをしてくださり、ありがとうございました!
Commented by b-road at 2017-05-02 16:01
ks-photoさん、0.95の方も見ていただき
ありがとうございます。これだけの比較で断定的なことを言うのは乱暴なことですが、しかしルックス50ASPHと0.95の両方を使っているユーザーの声には、両者は非常に似た描写をする、ただ違うのは0.95と1.4との違いだけだと言う意見も随分あります。ですから当たらずとも遠からずと思っていただければ幸いです。それにしても両方とも重いです!
Commented by cloudgallery at 2017-05-06 01:59
セイケさん、あの場所がセイケさんの手に掛かると作品に変わってしまうんですね!見慣れているのでここでシャッター切ることなんって思ったこと無かったです。0.95を使っていましたが、ご指摘の通りだと思っておりました。重たいので売却してしまいました。自分にはF1.4の方で十分です。
Commented by b-road at 2017-05-06 10:12
cloudgalleryさん、コメントありがとうございます。
そうですか、0.95は手放されたんですね。
そしてf1.4で十分と言い切るのは、誰にでもできることではないのでしょうが、間違っていないと思います。
Commented by hige-to-megane at 2017-05-11 10:23
はじめまして。
NoctiluxをSummilux 0.95といった表現、自分が思っていたNoctilux 0.95の印象と同じだったので思わずコメントいたしました。0.95、そうなんですよね。気になるけど最新Summiluxのもっと凄い版といった印象でなかなか購入まで至らない感じです。
Noctiluxを味わいたいならF1までの方がNoctiluxらしいと思います。Summiluxよりもっと凄いレンズが欲しいなら0.95かな?と言った印象を持ってます。
Commented by b-road at 2017-05-11 19:33
hige-to-meganeさん、はじめまして。
コメントありがとうございます。
人によっていろいろな受け取り方はあると思いますが、なんで0.95でなければならないのかなというのが、今以てわかりません。